巷では

JUNO2005-01-27

私のアンテナにある「へのへのもへじ〜一ツ眼生活」がえらい怪しげな展開になっている昨今ですね。一ツ眼生活を通して、彼が二つ目の焦点上に継続的に見続けてきた喪失感を取り戻すことができるのか、それとも...。という氏を知るぼくらにとってはとっても気になる展開ですね。現実の叙情詩が次第に幻想の叙事詩に近づいていくのを、今はただ見守るしかないのかもしれません。そんな夜にはもちろんKOC「know-how」を聴いてしまいます。そして今日もエビスを飲んでしまいます。

※「know-how」
序盤の日常独白的なトーン。男の俯瞰的な声。終盤の女性ボーカルがはいるあたりから神懸り的な神秘の世界に突入する両性の芳醇な掛け合いに、そしてギターの鳴りに、ドラムの響きに、さまざまな角度からフィットし、すっと溶ける。kings of convenience屈指の刹那曲。

思えばわれわれの生活はさまざまな「know-how」に毒されてきた。ひとつの「know-how」の取得は、われわれから不安を取り除き、成長を促し、感情を支配してきたのである。そしてこの「know-how」の積み重ねが社会生活を可能にし、同時に毎日を薄めてきたといっても過言ではないだろう。エビスは350じゃ足りなかった。もうすでにこの後を続ける大事な想像力が底をついてきた。FかEかといったらEだ。