遍歴を巡る回想

気付くとぼくはバンドをやっていました。いつしかいいかげんにやっていました。いいかげんにやるのはなぜなのか。答えは一つです。それはぼくに表現言語化能力が欠けていたことです。この能力がないとバンドはうまく噛み合っていきません。音は曖昧なものですので、なかなか面倒です。この点にこだわりを見せなければいけないのでしょうが、なにせぼくはいいかげんなのです。そしてそのいい加減を「いたしかたない」と思う次第でーあります。熱い瞬間が欲しいかと聞かれれば欲しいですが、その熱さは突然の大雨のようにもたらせられなければ、本当の熱さではない、と思います。そしてその偶然は、必然的な前後の文脈が担っているのです。ぼくはバンドにおいて、この前後の文脈のための下準備には力を注ぎました。でも割とみんなここもながしろにしていたようなので、結果うまくいかないことが多かったです。そのうちどーでもいいやとなって今に至ります。

以上のことはバンドに限ったことではないと思います。ぼくはいいかげんですが、ほんとーに熱い瞬間を知っています。それは、地味な何かの積み重ねが爆発する瞬間です。みなさんもなにか積み重ねてみてはどうでしょうか?ぼくはもうそんなことしませんけど。だって疲れたから。